源氏物語の全巻の写本が、
個人宅に所蔵されていたことが分かった。
発見された「源氏物語」の写本は
「大沢本」として存在は知られながら
70年近く行方不明だった「源氏物語」全巻の写本。
所有者の調査依頼を受けた
国文学研究資料館の伊井春樹館長が大沢本と確認し、
21日に大阪府立大で開かれた講演会で発表した。
中には鎌倉中期の写しと推測される古い巻もあるといい、
伊井さんは「重要文化財級の貴重な資料」としている。
大沢本は、大沢という人物が豊臣秀吉より拝領したと伝えられ、
明治以降度々の鑑定を受けたが、太平洋戦争前後に
こつ然と姿を消した。
大沢本を最初に鑑定したのは、明治期の古典研究家、小杉榲邨。
小杉榲邨の覚書「鑑定雑記」を調べている伊井さんは、
1907年11月に「大沢氏の子孫が持ち込んだ『源氏』写本を鑑定」
という記述を発見し、かねて興味を抱いていた。
また、源氏学者の池田亀鑑は40年ごろに大沢氏蔵の写本を見たが
「十分な調査が出来ないまま、大戦をはさんで行方不明になった」と
書き残している。
今回、「源氏」本文と共に小杉らの鑑定書も見つかり、
「鑑定雑記」の記述と一致することから大沢本と認められた。
大沢本は全54帖がそろっているが、一度に写されたものではなく、
不足分をかき集めた「取り合わせ本」。
鎌倉中期の写本も含め、室町末期に体裁が整えられたらしい。
参考 :